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住宅の耐震性能

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「自治体施設の耐震化率82%止まり!」
「広島県内学校の耐震化率全国最低!」
など新聞やニュースで報道されています。

災害拠点や避難場所となる公共施設の耐震化ももちろん気になりますが、住む家の耐震性能。これはもっと気になりませんか?

なまず

 

広島は地震がない?

日本国内の例えば東北地方と比較すると、地震は少ないのは事実です。しかしながら、2001年の芸予地震のように震度6弱クラスの地震は記録上においても複数回起こっています。また、文部科学省内に設置されている地震調査研究推進本部が公表している地震動予測地図(2012年版)によると広島県内において今後30年の間に

震度6弱以上の地震が発生する確率は最大で40%以上!

また、震度6強以上の地震が発生する確率は最大で5%程度の確率となっています。

これらは確率の話なので、今後30年の間に起こらないかもしれませんが、明日起こるかもしれないのです。

 

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新しい耐震基準(いわゆる新耐震)が施行されたのは、1981年(昭和56年)6月1日。この日までに完成している建物はもちろん、この日までに建築確認がとれている建物でこの日以降に完成した建物も新耐震基準を満たしていない可能性が高いのです。(新耐震基準を取り入れて設計されている場合や余力を持って設計されている場合もありますので全て新耐震基準を満たしていないとは言えませんが、そのような建物はごく少数です。)

現在のお住まいの耐震性能が気になる場合、まず建築確認が下りた日または建物が完成した日を確認してみてください

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 少し、ショッキングな書き方ですが事実です。一般的な木造2階建て住宅など四号建築物と言われる建物は建築基準法のおいて構造計算は義務付けられていません

□四号建築物

  •  100㎡以下の特殊建築物(学校、共同住宅、病院など)
  • 特殊建築物以外(戸建住宅、事務所など)の木造建物で2階建て以下かつ延べ床面積500㎡以下かつ高さ13m以下かつ軒の高さ9m以下
  • 200㎡以下の木造以外建物で平屋建てかつ延べ床面積

”技術的基準に適合すれば”よい四号建物は、地震と風の力に抵抗する耐力壁の量を簡易に計算(壁量計算)し、その耐力壁の配置のバランスを算出すること(4分割法)などで建築基準法を満たします。

これらは構造計算と比較して精度が低く、構造計算を実施した場合と比較して耐震性能に対する評価が異なったり、プランニングなどに対する自由度を低くする可能性があります

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市役所や病院など災害時に稼働しなければならない施設の耐震性能が建築基準法の定める基準の1.25倍や1.5倍などの耐力をもって設計されていることを知っていますか?

市役所や病院などの建物においても建築基準法の定める基準を満たせば、建築可能です。

しかし、重要施設である市役所や病院などはその性質上最低限の基準に対して余力をもって設計されているのです。また、民間の居住施設においても耐震性能のグレードをアップした免震マンションなども多数みられるようになりました。

一方、戸建住宅における耐震性能については多くの場合、「建築基準法を満たしているから大丈夫。」ということであっさり設計されているのが実情です。

しかし、明日これまで経験のないような大きさの地震が発生するかもしれなません!

だから、地中にシェルターをつくってそこに住みますか?普通の倍のコンクリート量を使用した構造躯体としますか?

明日大地震が発生するかもしれないし、一生大地震が発生しないかもしれない。地震はいつどのようなものが起こるか完全に予測することはできません。

だからこそ、耐震性能についてどの程度とするか。このことについて設計者と話合い、性能を設定することが重要だと思います。

 

 

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